留学カウンセラー金谷のブログ

普段留学したい人の相談にのっています。自分の留学の実体験や最新の留学事情を記事にしていきます。

アメリカの家事情について語ろうと思う その3(ひとり暮らし編)

こんにちは、金谷です。


3回に渡ってお届けした私のアメリカでの住居事情ですが、紆余曲折を経てついにひとり暮らしをすることになったお話を紹介したいと思います。

 

 

ryugaku-kanaya.hatenadiary.jp

 

 

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短大を無事卒業し、ニューヨーク州立大学のBinghamton校という4年制大学へ編入できることになった私は、早速家を探すことになりました。とは言ってもBinghamton市がどこにあるのか、どんな街なのかも分からず、当然現地に知り合いも居ません。普通であれば、学校の寮に入るのが一番無難でしたが、当時の私にはその選択肢はありませんでした。Rくん、Aさんとのルームシェアで食事、洗濯など最低限の生活力をつけた私はひとりで生活をするということに凄く憧れと、今の自分であればそれができるという自信があったからです。

 

 

物件探し
何はともあれ、まずは物件を探さなければなりません。短大時代に住んでいたPlattsburg市から移住先のBinghamton市はバスで乗り換えを含め10時間程かかります。とても気楽に行ける場所ではありません。とりあえず、ネットでBinghamton市の物件を調べて大家さんに電話で連絡してみると意外にもすぐに2人の大家さんが物件を案内してくれることになりました。そこで週末を使って現地へ行き、1人の大家さんにバス乗り場まで迎えにきてもらい両方の物件を確認することにしました。最初の物件は大通りには面していませんが、市の中心部まで歩いて10分、バスで5分ほどのところにあり、3階建ての3階、間取りは4LDKもあり、家賃が$370のところでした。正直ひとりで住むには広すぎるところを除けば素晴らしいところでした。
 2つ目の物件は、市の中心部からは離れていましたが街のメインストリート沿いで、近くにスーパーマーケットもあり、部屋は2LDKで家賃は$320とひとりで暮らす分にはこちらの方が良さそうでした。しかし、結局は最初の物件にすることになったのですが、その決めては2件目の大家の一言でした。

 

 

「たまに、合鍵使って部屋の様子見に来るけどいい?」

 

いや、ダメでしょ普通に!!

 

 

その言葉にそこはかとない恐怖を感じた私は、多少広くても安心できそうな大家さんの方がいいやと4LDKの広すぎる家に決めたのです。(結局こちらの大家さんも相当ぶっ飛んだ方だったのですが、それはまた別の機会に紹介します。)

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 こんな感じ

 

こうして、私は、2003年の1月から2005年の12月までのおよそ3年の間、この広すぎる家でのひとり暮らしを始めたのです。ここに、その生活の良かった点、悪かった点をまとめます。


すべてが自分次第
当たり前の話ですが、ひとり暮らしの最大のメリットは全てを自分の予定に合わせることができる点です。学校へ行く時間も、買い物も、洗濯も、食事も、就寝も他人に合わせる必要はありません。しかし、それも諸刃の剣で、誰にも気兼ねなくできる反面、自分のことは全て自分でやらねばなりません。なにかトラブルに巻き込まれても、誰も助けてくれません。シェアハウスをしていた頃は、食材の買い出しなど車を使うこともできましたが、自分の車を持っていないひとり暮らしではなんでもバスで買い出しに行かねばならずかなり不便でした。ただ、それは凄くフェアなこと(自分の力がなければその分しかできない)だと納得できていたので、不満はあまりありませんでした。

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 生活費がそれなりにかかる
全てをひとりでやらなければならないというのは、全ての費用をひとりで負担しなければならないということです。冬の寒さが厳しいニューヨークでは暖房光熱費は馬鹿になりません。これも引越ししてから気がついたのですが、私の住んでいた地域では、市内と市外では入札の関係から、光熱費、水道代が6倍くらい違うそうで、真冬には光熱費だけで$200/月くらい取られていました。食費も一人分ですと割高ですし、スケールメリットが活かせない分、全体の生活費はそれまでと比べかなり割高になりました。夏休み、冬休みなどを利用してバイトもしていましたが、資金的にはかなりカツカツでした。

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人間関係を構築しづらい
これは性格によるところが大きいとは思いますが、一人でなんでもできてしまうようになり、自分のペースができてくると、他人に合わせることが億劫になってきます。私はもともとあまり社交的ではありませんでしたので、このひとり暮らしを機に全く他人と交流しない日が続くようになってしまいました。(このことについても、後でじっくり話したいと思います。)

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まとめ
いろいろなメリット、デメリットがありますが、トータルで考えればこのひとり暮らしは私にとってかけがえのない時間でした。何ができて、何ができないのか、自分自身の限界が分かりましたし、生活をするためのお金の大切さ、何よりもそれを援助してくれている両親のありがたさが骨身に染みて分かりました。また、同じように生活できるかと言われればその自信はありませんが、大人になるいいきっかけをいただいたと考えると、それを支えてくれた人たちに感謝をせずにはいられません。もし、日本で同じような生活をしていたとしても、これほどいろいろなことは考えなかったのではないでしょうか。異国だからこそ自分と向き合うことができた。そういう時間を過ごすのも長い人生では有意義なことではないでしょうか。