留学カウンセラー金谷のブログ

普段留学したい人の相談にのっています。自分の留学の実体験や最新の留学事情を記事にしていきます。

留学中に味わった人生で一番長かった日の話をしようと思う

こんにちは、金谷です。

 

今日は、私が体験したアメリカでの怖い話をしたいと思います。

 

とはいっても、幽霊とか心霊とかの怖い話ではありません。

f:id:kanaya_eccc:20150824153124j:plain

アメリカで怖い話といったら、マフィア、そのマフィアが取り扱っているのが

 

ドラッグ

 

です。

 

私の住んでいたNY州の田舎がいくらアメリカ国内では治安がいい地域とはいっても、そこは日本とは違います。普通に道を歩いていても、末端の販売員から声をかけられるなんてこともよくありました。もちろん断りますが、ドラッグが生活に身近であることには変わりありません。

 

これは、そんな私が実際に体験した違法薬物にまつわるなんとも奇妙な長い一日の話です。

 

何度かブログで書いていますが、短大を卒業して4年制大学に編入した私は、そこで引きこもりに近い生活をしていました。

 

ryugaku-kanaya.hatenadiary.jp

 

大家からの誘い 

そんな状況を知ってか知らずか、ある日アパートの大家さんが、自宅に遊びに来ないかと誘ってくれたのです。この大家さんは、家を借りる時や引越しをした時にもいろいろ助けてくれた人だったので、私はその招きに応じることにしました。 BBQの準備に忙しいので、バスで直接来てくれと大まかな住所を教えてもらったのですが、住んでいたアパートからはかなり距離があるようでした。1時間程でなんとか、最寄りのバス停まではたどり着いたのですが、その辺りはあまり治安のいいところではなかったらしく、またアジア人もあまりいない街だったので、バスを降りた瞬間に明らかにチンピラ風の若者たちに囲まれました。全く空気を読まなかった私は大家の家を教えてくれと彼らにフレンドリーに聞くことでなんとかピンチを切り抜けようとしたのですが、その中のひとりが「金を出せ!」みたいなことを言い出し、かなり険悪は雰囲気になっていました。すると突然、急に全く知らないアジア系の人が車から「迷っているなら案内してやる」と声をかけてきてくれたのです。今考えれば、それも危ない話ですが、すでに半分カツアゲされそうになっていた私は脱兎のごとくその車に乗り込み、とりあえずのピンチを乗り切りました。話を聞くとその人は、ベトナムからの移民で、ベトナム戦争中にアメリカ側についていた南ベトナム人を難民として受け入れていた時期があり、多くの人がこの街に住み着いたそうです。結局その人は親日だったということもあり、チキンと大家さんの家まで送ってくれたのですが、むしろ早く到着しすぎてしまったようで、少し待っていてくれという話になりました。すると大家さんは、「最近日本料理にはまっているんだ。お前も懐かしいだろ」と、何もつけないそのままの豆腐を満面の笑みですすめてきたのです。今ほど和食が一般化していなかった10年前、味噌をといただけの味噌汁とか、天ぷらという名のフライなんてのは珍しくありませんでしたが、何もつけないで食べるアメリカの豆腐の味はかなり衝撃的でした。1/3丁ほど食べたところで流石に限界がきたのですが、もちろん醤油なんて気の利いたものはありません。仕方がないので塩をもらって食べたのですが、大家の「本場ではそうやって食べるのね」的なリアクションに胸が痛かったです。

f:id:kanaya_eccc:20150824153728j:plain

 

いよいよBBQ、しかし

そうこうしているうちに夕方になり、BBQを大家が所有している近所の山でやろうということになり、「凄く楽しいBBQになるよ」という大家の意味深な言葉とともに会場まで移動しました。しかし、現地に着いてみるとその山は、付近のモトバイク愛好家の練習場になっており、唸りを上げたバイクが山頂目指して、猛スピードで疾走しているというカオス状態でした。すかさず大家さんがそのバイカー達を、木の棒を振り回しながら鬼の形相で追い掛け回し、とにかく収集のつかない状態になりましたが、30分ほどでなんとか全員逃げ出したようでした。死人がでなくてホッとしていると、大家の友人たちがどんどん集まってきていよいよBBQが始まったのです。初めのうちこそ、みな和やかに自己紹介をしながら肉を焼いていたのですが、だんだん盛り上がってくると、大家さんおもむろに、「じゃあ、マリファナをやろう!!」と言いだしたのです。すると私を除くみんなのテンションは最高潮、先ほどの意味深な発言はこれのことだったのかと今更ながらに気づいたのですが時すでに遅し。さきほどの木の棒を振り回しながら、鬼の形相をしていた大家さんにビビリながらも、タバコも吸ったこともない私は「日本ではマリファナは禁止されているから」と断ると(NY州でも喫煙は今も禁止されています。)すでに、ハイになっていたのか、「以前に韓国の人にも勧めたけど、徴兵の時に検査で引っかかるらしいね。日本もそうなんでしょ?」とありがたい勘違いで、その場を切り抜けることができました。結局私以外の全員がひとしきりマリファナを吸って楽しんだ後、帰宅することになったのですが、車を持っていない私は、夜中にまたあのバス停でカツアゲされるか、マリファナを吸ってハイになっている人の車に乗せてもらうかの究極の選択を迫られ車で帰宅しました。家に着くとすでに午前2時を回っており、いろいろなことがありすぎて、すぐに泥のように寝てしまったのは言うまでもありません。

 

f:id:kanaya_eccc:20150824153911j:plain

最後に

その後、大家さんからはこの会に誘われることはありませんでしたが、身近な人がこんな違法なことを堂々としていると、カルチャーショックを受けたのです。私の場合はたまたま、その仲間に引き込まれることはありませんでしたが、全く知らないところではこういうことも有り得ます。知らない所にはひとりで行かない、悪い誘いを受けたときにはきっぱりと断るという心構えが必要ですね。