アメリカの家事情について語ろうと思う その2(シェアハウス編)
こんにちは、金谷です。
昨日お話した通り、渡米後始めての学生寮生活に見事に敗れた後、RくんとAさんとのシェアハウス生活が始まりました。
物件はどうしたのかというと、Rくんが素晴らしいところを見つけてきてくれました。アメリカに来たばかりの2001年7月から9月の夏休みの間、サマーセッション(夏季講習)という形で留学生の我々は、まず英語でのコミニュケーションの仕方や、Essayの書き方の基礎など、これから本格的な授業を受けるにあたり最低限のテクニックを教えてくれる授業を受講していました。その授業を一緒に受けていたのが、韓国人のMさんという女性でした。彼女は、留学ではなく、アメリカに定住しようと投資の一環として郊外の1軒屋を購入し、その2階に自分が住み、1階の2部屋を人に借そうととしていたらしく彼女の「日本人なら綺麗に使ってくれそう」というありがたい偏見のもと、RくんとAさんに熱心に売り込みをかけていたようです。
間取りとしては、Mさんの家の1階部分キッチンをはさんで6畳くらいの小さな部屋を私が、15畳くらいの大きな部屋をRくんとAさんが使い、キッチン、トイレ、風呂は3人で共有という形で、広さ的には申し分なく室内もリフォームをしたのか非常に綺麗でした。
こんな感じ
以下、学生寮と比べて良かった点、悪かった点を挙げていきます。
良かった点
価格が破格
なんといっても、ここでの生活で一番良かったのはその家賃の安さでした。私の部屋で月$150とちょっと日本では考えられないような値段でした。Depositと呼ばれる敷金はなんと$50!RくんとAさんの部屋もおそらく月$300はいかなかったと思います。
本当に商売する気があるのかという値段ですが、おそらく、普通に不動産業者を通じて物件を探していたら絶対にこんなところは見つからなかったと思います。1時期サブプライムローンで騒がれましたが、アメリカでは、住宅は非常に有望な投資先で、日本のように築20年たったら建物の資産価値はゼロなんてことはありません。この当時家を安く購入し、キチンとリフォームをすれば多くの場合、投資金額以上の価格で再度転売することができ、その販売益で新たな不動産を購入という錬金術がなりたっていたので、このようなオーナーは実はたくさんいたのかもしれません。今回は、たまたまMさんの方から売り込みをしてもらいましたが、もし安く部屋を借りたいなら自分のクラスメートや知り合いにそういう人がいないかあたってみるのもいいでしょう。
個人のプライバシーが守られる
学生寮といい意味で1番異なっていたのは、完全なる1人部屋があり、住人も気心のおけない人たちばかりだというところです。学生寮で苦労した勝手に私物を使われるとかはここではありえません。食事は共同で自炊(もっぱらは私は後片付けでしたが)学校へはRくんの車で時間を併せて移動という生活リズムでした。オーナーであるMさんは2階に住んでいるので基本的にはあまり顔を合わせることもなく(当然風呂、トイレも2階にあります)たまに彼女がモントリオールに買出しに行った時に一緒に料理をするという感じでした。私は、非常な汗っかきで食べると汗が大量にでるという理由で、辛いものは苦手だったのですが、韓国人のMさんがいい豚肉とキムチを購入してきた時に一緒に食べたサムキョプサルはNYの極寒の寒さを和らげてくれました。
悪かった点
立地が悪い
不満があるとすれば、立地が市内から外れた学校よりもさらに郊外というところでバスもなく完全に車がないとどうにもならないところでした。いかに家賃が安いとはいえ、ここら辺はもう少し考えるところでしたね。もし、留学先で車ではなくバスなどの公共交通機関に頼る場合は、この立地を重要視する必要があるでしょう。
生き物が凄い
この家の立地を郊外の外れといいましたが、家の奥が森になっており、ときどき朝5時くらいになるとなんとも奇妙で馬鹿でかい鳥の鳴き声が延々と聞こえてきて、テスト前の寝不足の時には発狂しそうになりました。また、リスやねずみが、家に入ってくることもあり、ある日私の部屋の中にリスが落とした、点々とドングリが落ちていた時は「トトロの家かここは!?」と思ったものです。しかし、本当に恐ろしかったのは、秋の終わりから冬の初めにかけて、
てんとう虫
の大群が冬越しをしようと、侵入してきたことです。よく画像検索で出てくるみたいな巨大な固まりにはなりませんでしたが(閲覧注意)、部屋のあちこちから湧いて出てきて。大変でした。一回、寝ているときにまぶたが痒かったので手で触ってみると私の目の窪みに沿って2,3匹のてんとう虫が越冬しようとしていた時は、ココはヤバイ!と思いました。なんだかんだで結局、学生寮でも、この家でも虫に悩まされることになりました。
イチャつきが凄い(らしい)
あと、これは私が直接体験した話ではないのですが、Mさんには、軍で働いているネイティブの恋人がいたのですが、この2人がいわいるラブラブカップルで、ところかまわずイチャイチャしてRくんAさんは、結構目のやり場にこまっていたそうです。でも、私の前では全くそう言うことはなかったので、今思えば警戒されていたんでしょうね(笑)
シェアハウス2へ
その後、私自身はそんなに気にしていなかったのですが、Rくん、Aさんにとって、郊外すぎる立地などが気になっていたそうで、市内に引っ越さないかと提案されました。私にとっては家賃が少し高くなりますが、小さいとは言え街の中ですし、学校への移動や簡単な買い物であればひとりでこなすことができるというのは大きな魅力でした。(まあひとりで残っても車がないのでどうしようもなかったのですが)今回は物件の選定、交渉、入居手続きまで全部2人がやってくれましたし、退去時ももともと個人オーナーで知人のMさんだったのでDepositを返却してもらい全く問題なく引越しをすることができました。引越し自体も友達を動員してできたのでスムーズでした。この引越しをちょうど前回話した日本からの友人がNYC滞在後来て手伝ってくれたのですが、
日本からNYCまでのフライト、そこから3日の滞在の後、バスで9時間かけて到着、そして次の日に引越しと超強行軍を強いられた彼は、数日間寝込んでました(笑)ここでの生活は快適そのもので、料理の腕を極限まで上げていた2人の絶品料理を満喫しながら(最後の方は中華料理を油通しして作ってました!)
この地で、悠々過ごすことができたのも束の間、それからわずか半年で、私は短大を卒業し、4年制大学へ編入することになりました。卒業まであと半年残っているRくんとAさんとはここで別れ、ついに海外の全く知らない土地で1人で住む場所を確保しなくてはならなくなったのです。
まとめ
そんな訳で、今日はRくん、Aさんとのルームシェアの話を紹介しましたが、いいツテがあって、生活力のある人にはもってこいだと思います。寮と違って、暮らしに必要なものは自分で用意しなくてはいけませんが、その分安いですし、異国で生活できてるという実感があるでしょう。(私の場合はまだ2人におんぶにだっこでしたが)
明日は、私が、最後どのようにひとり暮らしを始めることができたのかについてお話したいと思います。